ベトナム研修旅行記 ◆ 木乃婦 髙橋拓児 ◆
一昨日(28日)まで五日間、ベトナムに研修旅行に行っておりました。
参加者は、柴田日本料理研鑽会(書籍「専門料理」に、毎月連載しているグループで、
私も片隅に入れてもらっています。)のメンバーと、普段から仲良くしている
日本料理アカデミーの皆さん、そして料理教室の先生方、計13名でした。
今回のツアーコンセプトは、珍しく「秘境でゆっくりしよう。」でした。
ホーチミン・シティは、行った人は多いですし、行っていない人も
今後行く可能性が大いにある都市です。
けれども、ホーチミンから更に飛行機で70分のニャチャンへはまず行かないということで、
旅行先はそこに決まりました。
「一日中、ビーチでゆっくりするなんてめったにないわ!
本読みながら昼からビール飲んで・・・スパ行って・・・」などと行く前までは言っておりましたが、
着いた次の日にいきなり朝から、『遺跡や食文化を知るベトナム体験満喫コース』で、
フォーの麺作りや傘の製作など半日観光をして(仕事モード)、帰ってくると30分の休憩後、
今度は船釣りに日が落ちるまで参加と日常のペースと何らかわりませんでした。
夕食はホテルで取らず、一人では来れそうも無いあやしい料理店で、好奇心たっぷりの食事。
これが結構美味しかったりします。
ニャチャンは港町なので新鮮な魚介類が豊富で、
特に蟹の姿蒸しをバリバリ手で折りながら食べるのが美味でした。
そして、ホテルへ戻って浜辺のバーにて、テキーラで再度乾杯!その後、爆睡・・・
そんな優雅さの無い貧乏臭い旅程をこなしながら、一つ気づいたことがありました。
「風土と食文化」です。
ベトナムは日本と同じく、食事をすることを「御飯を食べる」と言い、白米が主食です。
そして、お茶碗にお箸で食事をします。
但し、米は洗米せず炊き込みます。
米本来の香りやココナッツの香りがして、その味わいがベトナム料理と非常に合います。
ベトナムは熱帯モンスーン気候であり、高温高湿多雨なので意外と大汗をかかず、
肌はべたっとした状態です。しかし多くの料理に唐辛子が使われており、
成分のカプサイシンが発汗を強制的に行なう為、実際の体温維持に、
効果を発揮しているような気がします。
またカプサイシンは強心作用や免疫力の向上にも効果があるようで、
生水が飲めないこの地域では必然だと感じました。
調理法として、生食はほとんど無く、蒸す・揚げる・焼く・茹でるなど衛生面では、
確実な手法をとっています。
その上ハーブを多用したベトナム料理は、安心できる食文化だと思いました。
また、フォーの麺を作っている家を訪ねても、帽子を作っている家を訪ねても、
工場ではなくマニュファクチュアで、一次的な材料を商品にまで完成させています。
私はここにヒントがあるように思いました。
やはり、食の商売の基本は、「一から作り、自分の物を売る。」ではないかと思いました。
自分の目の行き届く範囲で仕事をしているベトナムの人達を見て、食の自然さを痛切に感じました。
日本料理は自然の摂理に基づいた形態をとっていますが、
その影の部分にこそ色濃くしなければならない必然性を感じた旅行でした。
ツバメの巣採集場です。
投稿者 academy : 2008年09月30日 10:17