2008年02月09日

日本料理コンペティション                 右源太・鳥居宏行

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*(前回より続く予定だった「ジョージ・ナカシマ」は次回にさせていただきます。)

去る2月8日、日本料理アカデミーが主催する
「第一回・日本料理コンペティション」決勝大会が開催された。

朝8時過ぎ、11人の料理人達は、緊張した面持ちで
作業テーブルくじの抽選箱に手を突っ込んだ。

北海道から九州まで、5つのブロックで予選を勝ち抜き、160人の中から選ばれた選手達は、
この前代未聞の料理バトルの決着を付けるために、ここ京都までやってきたのだ。

9時30分、合図と共に、各選手一斉に発泡スチロールの蓋を開けた。
彼らは、今回使用する食材について、事前には一切知らされていないのだ。

中身は何なのか?

アカデミー内でも、正副の実行委員長2人しか知らなかったテーマが今、明らかになる。
鯛か?鰤もある!車エビ、アナゴ、イカ、蛤、ウニ・・・
それは魚介類と野菜、合わせて36品目もあった!

選手達は30分で献立を書き、3時間と30分で、最低7種類の料理を作り、
4人前の料理を完成させなければならない!

食材を一つ一つ手に取りながら、献立を書きすすめていく選手達。
迷っている暇は無い。私は思った。「なんちゅう過酷なコンペなんや!」と。

10時45分、ついに調理作業が始まった。

作業状況担当の審査員が見守る中、各自思い思いに作り始める。
手の早い人も遅い人もいるが、皆周辺をきちんと整頓し、
俎板や布巾の清潔に気を配っている。しかし、時間が経つにつれ、その余裕も失われてくる。

火力は全てIHなので、特に出し巻き卵には苦労しているようだ。
ふと眼を離した隙に、魚や鍋を焦がしてしまう人もいる。
湯がいた野菜を濃さの違う地に二度漬けするという、手間のかかる仕事をしている選手もいた。

13時過ぎ、見ているだけで胃が痛くなりそうな状況の中、調理は最終段階に入った。
選手も審査員も疲労困憊といった感じだ。

ある審査員は、「見ている方が辛い、俺も手伝ってやりたいくらいや・・・」と漏らした。

13時45分、完成した料理が試食・外観の審査会場に運ばれていった。
担当の審査員は、先ず取り分けられた料理の味見を済ませてから後に、
実際に器に盛られた料理の外観を審査する。
見た目の先入観に影響されず、純粋に香り・歯応え・味付け等を判断するというわけだ。

16時過ぎ、審査会が始まった。

そこでは非常に興味深い議論が交わされた。
上位の選手に関しては、作業審査員と試食・外観審査員ともに高得点を付けていたが、
その次になると、正反対の点数を付けられた選手が結構いたのである。

例えば、手際が良くて、包丁捌きも抜群(作業審査高得点)だが、
喰い味の点数が悪かった(試食審査低得点)り、またその逆に手が遅く、
ちょっと不器用な人の料理が美味しかったり・・・

心情的には、苦労し、頑張った選手を応援したくなる。
しかし、数字は正直だ。そして、料理も作る人の人間性が正直に出てしまう物なんやと思った。

11人いれば、11通りの料理が完成する。優劣なんて関係ねえ!
頑張った選手達の姿を思い浮かべると胸が熱くなった。

投稿者 academy : 2008年02月09日 23:56