「東雲篩雪図と雪夜万家図」 ◆ 杢兵衛 寺田慎太郎 ◆
先日、今年初の美術館鑑賞に行って参りました。
京都文化博物館で開催中の「川端康成と東山魁夷」展です。
とにかく私の目的は江戸後期の画家、浦上玉堂の代表作である「東雲篩雪図」です。
「とううんしせつず」と読みます。
入り口を入って正面奥にその絵は展示されていました。
この一角だけ絵の通り、どんよりとした雲に覆われた雪の積もる山中のように寒々しい感じがします。
やや左上がりで独特な隷書体で書かれた賛と落款は、決して上手な字とは言えませんが、
実に玉堂らしさが具わり絵とのバランスが絶妙です。
この字あっての「東雲篩雪図」なのかもしれません。
落款は「玉堂琴士酔作」と記されていますが、その通り玉堂は酒を飲んで酔っ払いながら
この絵を描いたと言われています。
しかし、絵の周辺までも凍りつかせる程の迫力のある絵ですので
やはり並みの人物では無かったんでしょうね。
しらふではここまでの絵を描けないのかな、という疑問も心の隅にあるのですが。
川端康成は以前からこの絵に傾倒していたそうで、
この絵が売りに出たと聞いてすぐにお金を借りて購入したそうです。
そして川端康成が購入してから重要文化財にそれから続いて国宝に認定されたそうです。
美術品に対する非常に厳しい目を持つ川端康成を唸らせた
この絵の作者である浦上玉堂とは如何なる人物だったのでしょうね。
「雪夜万家図(せつやばんかず)」とは与謝蕪村の代表的な作品ですが、
実はこの絵、今回の展覧会とは全く関係ないのです。
この展覧会のもう1人の主人公である東山魁夷の作品の中に
京都ホテルから眺めた風景を描いたものがありました。
雪景色なのですが、ホテルからの眺めですので
やや高い位置から町を見下ろすような視線で描かれており、
そこには重なり合う家の屋根が整然と並び、
筆を押し付けるようにして描いた雪が絵全体に描かれ、
ひっそりとした町を捉えています。
非常に綺麗な絵で、昔の京都の風景を想起させる
ほのぼのとした懐かしい風景なのでしょうが、
これに似た絵をどこかで見たことがある、と考えていたところ
思い出したのがまさしく蕪村の「雪夜万家図」です。
視線もそっくり、情景もそっくり、そして蕪村も京都を描いているのだとしたら、
もしかしたら東山魁夷も蕪村のこの絵を見たことがあるのでは?と考えたのです。
江戸期の京都、昭和初期の京都、全く異なる風景ですが
二つの絵から受ける印象は似ているな、なんてえらそうに思いました。
川端康成も東山魁夷も、また当然のことながら浦上玉堂も与謝蕪村も、
この世には既に存在しません。
ただこういった偉大な人物が残した足跡をこれからも大切にしたいなと
改めてこの展覧会を後にして思いました。
投稿者 academy : 23:44
京料理 ◆ 菊乃井 村田吉弘 ◆
「この料理は洋皿に盛り付けられているだけで、明らかに京料理やなぁ」
実はこれ、パリでフランス料理を食べたときの私の率直な感想である。
ここ数年、京料理が世界の美食の舞台で大きな影響力を及ぼしていることを
肌で感じている。
フランスでは、ミシュランの星のついた高級店であればあるほど、濃厚な
ソースを身にまとい、しっかり味のついた、ボリュームたっぷりの料理は
見当たらない。むしろ限りなく京料理に近いと思われる料理が、次々と目の前に
現れる。繊細で美しい盛り付けのみならず、考え抜かれた食材と調味料の組み合わせ、
火の通し方など、京料理の手法に近い。
「フランス人も、公家化したんやないか・・・」と、思わずつぶやいてしまった。
なぜなら、京料理は「公家が育てた食文化」だと思うからである。
京都の公家たちは、食に対して相当に好奇心が強かったのではないかと想像する。
明日のご飯にも困る庶民と違って、経済的にも時間的にもたっぷりと余裕のある
暮らしのなかで、公家が食を徹底的に追求する楽しみを見つけ、その「成果」が
京料理の礎になっていると思う。
たとえば、京料理の特徴でもある「出汁」。昆布とかつおぶしから出汁をとって
それを煮炊きに使うと言うアイディア自体が、当時の食環境を考えると、身分の高い
公家ならではの贅沢な発想であろう。流通の不便な時代、日本の北の昆布と
南のかつおぶしを京都で出会わせ、しかも、そのまま食べられるものを
出汁という形にわざわざ変化させて、料理のベースにしているわけだから。
さまざまな試行錯誤の繰り返しのなかで、昆布とかつおぶしという最高の出会いを
発見した背景には、料理人の存在があったのはいうまでもない。
当時、公家たちにとって食事は、単に命を養うためとか食欲を満たすためではなく、
最高のエンターテインメントであったから、たっぷりと時間をかけて楽しみたい。
そのためには、少量多品種の料理、しかも色々な調理法で食べてみたいと望み、
それを叶えたのが料理人だった。つまりは、公家が料理人を育て、それが京料理の
発展につながったと思う。
時代がかわり、公家にかわってその役割を担ったのが、室町や西陣の旦那衆だった。
「粋に楽しむ」と言う観点から、料理の味や質、季節感の表現法、器とのバランスの
美しさ、器選びの趣向など、さまざまな要素を料理人に要求し、その期待に応えようと、
勉強に励む料理人が登場し、鍛えられていった。その伝統が時代の流れのなかで
脈々と続き、その結果、京料理は、非常に洗練された文化性を多く含んだ料理として
実を結んだ。
そう言う意味で、京料理は京都と言う土地の個性が生んだ「郷土料理の結晶」だと思う。
そして21世紀の今、日本の食文化に目を転じてみよう。
私の目には「1億2000万人総公家化」の時代に突入しているかのように見える。
なぜならば、日本のあちこちで、京料理に極めて似た料理が好まれ、郷土性と個性を
どんどん失っているのではないか。
しかしながら、日本列島が、京料理一色に染まってしまうのはおかしい。
日本各地にクオリティの高い郷土料理が誕生させ、互いに切磋琢磨することがこれからの
日本料理の世界では必要不可欠なことだと思う。
そのためには、従来の郷土料理を見直し、「地産地消」に基づいた新たな郷土料理を
創造することで、日本料理全体のレベルを上げるための起爆剤になるのではないかと
考えている。
さらに、その流れのなかで、京都の食文化を継承する次世代の料理人たちが、京料理を
どう発展させていくべきか。京都のもの作りの現場には「一子相伝」と言う文化があるが、
その精神を引き継ぐことが大事だと思う。
一子相伝されるべくは「形」ではなく、それに携わる「姿勢」や「志」だと言うことを忘れてはいけない。
時代とともに技術や手法は変容を遂げて当然だが、
京都人ならではの豊かな感性を大事にし、節度と品位をもって
社会の役に立てる料理人になることを願ってやまない。
投稿者 academy : 19:26
おふらんす 最終話 ◆ 木乃婦 髙橋拓児 ◆
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何か9月にフランスに行ったことをかなり引っ張りすぎ、
記憶が薄らいできましたので、この辺りで最終話とさせて頂きます。
前回の続き、『オマールのバプール ヴェルヴェーヌの香り』ですが、
これはまた美味しい!!
軽く湯がいたオマールを捌き、身を外す。
以前、パスカルに捌き方を教えてもらったので、
実際に手伝うことが出来ました、感謝!
この料理は、やさしく火の通ったオマールと殻でとったブイヨンの相性がとても良く、
更に生のヴェルヴェーヌの香りが広がり、最高の調和を作り出していました。
本当にフランスでは多くのものを見せていただき、
多くのことを吸収しました。
フォアグラの生産地を見て、下処理、具体的な調理法を教えていただき、
私なりのフォアグラ料理を完成できましたし、もやしのリゾットからのパクリで、
『フグの白子のもやし雑炊 ヒレ酒風味』、
そして、風味を大切にした『鮑と新筍のふわふわ 甲殻類のスープ
ヴェルヴェーヌのほのかな香り』など新しい料理を木乃婦で出すことが出来ました。
それよりも、わたしにとって一番大きなことは、海を越えて友人が出来たことです。
それもマルクスだけではなく、そのスタッフ達も含めてです。
スタッフのセドリックは、先日、木乃婦に研修に来ました。
店を辞めたフロリアンはガールフレンドと遊びに来て、
3日間位調理場をちょろちょろしていました。
ダミエルも美人の彼女を連れてきて、彼女は一人で観光、
彼は厨房見学をしていました。
面白かったのか、また、今度は長期で来るそうです。
今度は反対に、うちのスタッフもマルクスの所に研修に行かせようと思います。
私が感じたことを皆と共有したいので。
おしまい。
投稿者 academy : 23:53
聖護院蕪 ◆ 萬重 田村 圭吾 ◆
本日は意外にも昨年の暮れに京のブランド野菜の認定を受けた聖護院蕪の話しです。
江戸時代中期に近江の国から持ちこまれた近江蕪の種を聖護院地区で栽培した所、
土壌の影響でしょうかへんぺい扁平していた蕪が丸型で大型になったのが聖護院蕪です。
江戸後期には「東山かぶら蕪菁」の名が記されていて、
これが聖護院蕪であろうと推察できます。
この時期に蕪を材料に千枚漬けが作られてからは一層生産が盛んになりました。
栽培時に「肥料食い」なのが農家にとって難点だとか。
色白の肌つやで粘りがあり、甘味と軟らかなのに歯ごたえがあるのが特徴です。
関が原附近を東西の境として、大き目の蕪の在来種と、
ヨーロッパ種の小蕪に分かれますが、全国各地に様々な品種が存在するのは、
日本人が古くから蕪を愛してきたからでしょう。
栄養価はジアスターゼをはじめとする消化酵素を含み、
消化促進や胃もたれを解消します。
アブラナ科の蕪はグルコシアネートという肝臓が
発ガン物質を解毒する働きを助ける成分や無毒化する成分も含みます。
投稿者 academy : 23:50
準備と後始末 ◆ 嵐山熊彦 栗栖 基 ◆
今年も無事に戊子歳を迎えることが出来ました。
これも偏に日頃よりお世話になっております皆々様の御蔭と肝に銘じ、
今年も心新たに己の分をわきまえ本道に精進していく所存でございます。
どうぞ皆々様におかれましては、
今後とも倍旧のご温情を賜りますことを切にお願い申し上げます。
さて毎年、料理屋は年末年始にかけて極めて多忙な時期を迎えます。
特に京都では12月13日の事始が過ぎる頃からどこのお店も忘年会、
新年会、御節料理の仕込み等で猫の手も借りたくなるほど迎春準備に追われます。
またこの時季、日頃よりお世話になっている出入り業者関係との納品や
商品の発注などについて何度も注文の数量に間違えがないか
お互いに再確認の作業を行い、本当に気を使います。
ところが当方に落ち度がなくとも、先方に謝りがあったり、
逆に当方の発注ミスにより先方に多大な迷惑をかけることもあります。
しかし最も大事なことは第3者、つまりお客様にご迷惑がかかることです。
特に何処の料理屋も顧客様を持っており、新年会や御節料理の注文など毎年、
継続的にご予約を賜ることが多いものです。
そんな時にふといつもの調子で誰々様は毎年のお決まり通りでと早合点をしてしまい、
お客様の趣旨を話し半ばいい加減に聞き取って、とても重要な過ちを犯してしまうことがあります。
それも新年を寿ぐ会や御節料理であれば、尚さら元の悪いことでしょう。
そのような事態にならぬように、日頃より人の話をよく聞き自他共に落ち着いて
物事を見極めることが肝要となります。
そこで人は心のゆとりを持つことが必要になり、
時として大事が起きるとすぐ慌てふためいて失態を犯すことのないように
平素からの心構えを大切にしなければなりません。
それには、初めの「準備と後始末」が大事なのです。
いくら贅沢な食材や食器を使ってお客様をおもてなししても、
準備がいい加減であれば亭主の心は一向に伝わらず、
最後の後始末がおろそかになれば次回、使うときに何らかの支障が出てまいります。
日頃より準備と後始末を心を込めて一所懸命にしておけば、
自然に心のゆとりが生まれ、気配りが出来るのです。
我々、料理屋がよく口にする言葉に「段取り」と言う言葉があります。
「段取り」がうまく出来ていれば、その日の仕事は8割方できたのも同じことで、
あとの2割は仕上げとなります。
その心構えは料理屋の仕事に対する真摯な姿勢と経験から生まれるもので
その積み重ねが店の風格となり、お客様の信用を得ることにつながっていくのです。
そして心のゆとりが生まれて来ることにより、普段、気づかない事に気づくようになってくるものです。
「降らずとも雨の用意」の意を今一度、心に刻み、
今年も日本料理アカデミーの事業が無事に成就できることを念頭におきまして、
準備と後始末を心がけたいと思います。
投稿者 academy : 23:28
三國シェフの「現代の名工受賞記念・・・◆ 料亭旅館 清和荘 竹中 徹男 ◆
「三國シェフの「現代の名工受賞記念 感謝の集い」に寄せて」
1月21日月曜日 東京の帝国ホテルで三國シェフのお祝いの会が有りました。
私はご案内を頂いてすぐ出席させていただくつもりでしたが、
ちょうど店の定休日にも重なり、家内も同伴することになりました。
東京帝国ホテル、私の幼い日の思い出にはNHKの「今日の料理」に
ひげのおっちゃん(今から思えば大変失礼なのですが・・・)事、村上信夫シェフが
とっても美味しそうにハンバーグやオムレツをつくって居られた事があり、
今も鮮明な記憶として残っています。
子供の大好きな料理を、テレビでそれも子供が見てもとても手際よくつくっておられる姿は
まるで手品師のようでもあり、かつ「料理を楽しんでおられる」と見えたものでした。
三國清三さんは北海道のホテルで修行中に、
この村上シェフに憧れて東京にわざわざ出ておいでになったそうです。
(三國さん曰く、「料理の神様」だそうですが)そして、若くしてこの「神様」に認められ
徐々に頭角を現し、(紆余曲折や逆風も多かったそうですが・・・)
若くしてお店をオープンされたそうです。
ご存じのように、三國さんは全国を「キッズシェフ」でまわっておられ、
子ども達の味覚教育を推進されています。
その中で「五味」を教え、彼らの鋭い「味覚」を目覚めさせるのです。
そして、食のすばらしさや大自然の偉大さも伝えておられます。
人は、美味しい物を食べたいと思う。
又逆に作り手は「美味しい物をつくって召し上がっていただきたいと思う」、
これが料理をすることの原点で有ると思います。
お母さんであっても、給食のおばさんであっても、
料理人であっても、これこそが作り手と食べる人の双方の喜びになるのです。
先日のパーティーにはまさにその「食べる人」=「喜んでいる人」が集まっておられました。
有名な政治家や芸能人、そして一般のお客様や昔のスタッフまでが一堂に会し、
シェフが長年「美味しい物をつくって召し上がっていただきたいと思う」事を続けて来られた成果に
お祝いをされていました。肩肘張ったパーティーではなく、本当にアットホームな心温まる会でした。
三國シェフにご挨拶を致しましたところ、
「来てくれてありがとう。味噌汁(実は地元北海道の食材を使ったブイアベース、これが最高!)
食べた?」といつもの笑顔で聞いて下さいました。
本当にその笑顔もごちそうなんだなと感じた一瞬でした。
食べ物を作る。簡単そうで本当に難しいこの仕事は
実はこの笑顔がすべてではないでしょうか?
自分が美味しいと思う物を心を込めて作る。
そして、自信を持って「美味しい?」と聞けることがすべてだと改めて思える一日でした。
その時の笑顔はまさに、私の脳裏残った「ひげのおっちゃん」のそれと同じ物でした。
さあ、また今日から頑張れるな~。
投稿者 academy : 19:24
自然が創造する小さな芸術 ◆ 美山荘 中東 久人 ◆
ここ数日 寒い日が続きますね。
美山荘のある京都花背は日中でもマイナスの気温です。
今まであまり降っていなかった雪も降ってきたのですが、
雪質が全然ちがい、まるで北海道の雪のようにパウダースノーなんです、
踏みしめると キュキュいってとっても軽いんです、
ここ数年こんな雪質の雪はあまり見たことなかったんですよ!
と、まぁ基本的に気温が低いっていうのが原因なのですが、
なぜ気温がひくいと粉雪になるかご存じですか?
まずは、空気中の水分が水蒸気となって雲となりそれが冷えて
本当に小さな粒の氷ができます
氷となったものは重くなり地上に落下してくるのですが
この時に大気中の水蒸気を取り込みながらおちてくるのですが、
気温が低いと、くっ付いた水蒸気も氷りつきます。
これが、雪の結晶なのです。
寒いとそのまま落ちてきます、これが粉雪です。
気温が暖かめだと水蒸気が凍らず水分が接着剤の役目となり
雪と雪がくっつきあい巨大化します、これが牡丹雪といわれるものなのです。
そういった原理から 雪の結晶の形はどれ1つとっても同じものは無いそうです、、、
今、ちょうど粉雪が降っているので黒い鉄板を冷やして見てみたのですが、
確かに全く同じ形のものはありませんでした!
私って、暇な人みたいですね(笑い、、)
写真に収めようとしたのですが、なかなか旨くいかず
皆様にお見せすることができず残念です。
この自然の環境がもたらす造形美にはまっていると、
寒さの中で感じるひと時のごく小さな美術館にいるような気がしました。
本当に自然とは向き合えば向き合うほど色々なものを見せてくれ、
様々な事を教えてくれる。
年を重ねるごとに自然に対する想いが強くなってきたようにおもいます、、、
私の場合 様々な生き方のヒントは自然の中にあるんだなぁってつくずく感じさせてもらいました。
冬は春の寒さを感じながら春を想い 夏は暑さを感じながら冬の白い景色を懐かしむ、、、、
そうやって、季節は巡ってゆくのですねぇ~
投稿者 academy : 21:38
ゲーム機に学ぶ ◆ 山ばな平八茶屋 園部晋吾 ◆
昨年のクリスマス、我が家の子供たちに、サンタクロースが1台のゲーム機を届けてくれました。
料理屋にも、サンタが・・・。もちろん、来てくれます。
そのことはさておき、今回、このゲーム機で、気がついたことがありました。
現在、家庭用のゲーム機では、大手が3社あります。
今まで、この3社、若干の違いはありましたが、
だいたい同じようなゲームが並んでいました。
本体も、テレビにつなぐタイプと持ち運べるタイプの2種類。
違いを感じ始めたのは、持ち運びが出来るタイプのものからでした。
今までのゲームソフトは、我々が子供のころに遊んだものから、
どんどん進化していって、非常に複雑になり、かなり操作に慣れないと、戦うことも出来ない。
画像はかなりリアリティを増し、まるで、現実のように思えてくる。
ターゲットは中高生だろう。
今の我々では、手も足も出ない。
ところが、このゲーム機のソフトの内容が、子供を対象にしたものから、
大人まで対象にしたものに、変わってきました。
コマーシャルにも、お年寄りがゲームをしている姿が映し出され、
一流シェフのレシピ、ガイドブック、目のトレーニングや頭の体操など、
単なるゲームだけでなく、実用的なものも多く含まれてきました。
子供から大人まで、幅広い人が使えるように変わってきたのです。
もう一方のテレビにつなげるほう(サンタからのプレゼント)は、画期的なものでした。
実体験型で、コントローラーをラケット代わりに振ったり、バットの代わりにしたり、
またそれが、剣になったり。手首だけ動かせばいいのですが、体まで動いて、
ゲームが終わったあとは、息切れしていました。
内容や操作も非常に単純で、我々でも出来ます。
そして、小学校や保育園の子供たちでも出来ます。
一人でもできるし、家族とでもできる。
その上、体重管理やらフィットネスなど、こちらの方も、実用的なソフトが入ってきて、
子供から大人まで、幅広い人が使えるようになってきました。
この会社、発想と対象が他の2社とは明らかに異なってきました。
また、驚いたことに、インターネットにつないで、ショッピングまで出来てしまう。
そのショッピングで買えるものが、我々が、子供の時に遊んだ懐かしいソフト。
1つ500円~2000円位。手ごろに変えてしまう値段です。
しかも、もう売れないようなものをまた売ることが出来る。
懐かしくて、ダウンロードしたソフトで遊んでいると、
「お父さんすごいね!」と、子供たちから言われる。
安価な値段と昔とった杵柄を生かせることで、ついついダウンロードしてしまう。
ここの会社はすごい。ただただその戦略に感心する。
シェアと売上高は、3社の中でも、ぬきんでているのではないだろうか?
物事を広げていくためには、画期的な発想と仕掛け、
そして、わかりやすさが重要だということを、このゲーム機を通して、学ぶことが出来ました。
投稿者 academy : 23:54
白トリュフ ◆ 修伯 吉田修久 ◆
ある日の夕方の事なんですが
「突然で申し訳ないんですがこれトリュフだと思うんですが、
大学で調べてもらってもトリュフの菌って言ってもらったんですが
一回見ていただけないでしょうか?」とおばあさんの電話がありました。
最初はいたずらかと思っていたんですがよく聞くと本当にトリュフが取れるそうで、
たまたま見た雑誌でトリュフの料理をしていた私の店に電話をかけてきたそうです。
しかし、トリュフと言っても中国産のトリュフは1kg1万もしないと思いますが、
イタリア産の白トリュフですと収穫期が10月~11月で1kg80万~100万という値段になります。
フランス産の冬の黒トリュフで12月~2月で1kg20万~25万で、
しかし夏トリュフですと香りが乏しく1kg2,3万と香りの良し悪しで
ぜんぜん値段が変わってくるのです。
そのことを説明すると、どうやらイタリア産の白トリュフに
似ているとおばあさんは言うんです。
「これはひょっとすると大発見かも?」
国産の白トリュフなんて聞いたこともないですし、
これがもし良いものなら是非店でも使ってみたい食材です。
「是非、そのトリュフを送ってください。」
「良いものかどうか一度見てみたいです。」
おばあさんは「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と言って
「これが今年最後の白トリュフになります。あまり良い状態のものは残ってません。
時期的にもイタリアの白トリュフの時期とまったく同じなんですね。」
おばあさんは今年はと言ったので「いつごろからトリュフが取れるんですか?」と聞くと
2.3年前から趣味できのこ狩りをしているらしく
あまりにも強い香りで簡単に見つけることが出来るらしいです。
電話が終わってから2.3日早くそのトリュフが着かないか待ち遠しく
宅急便の到着に異常に反応していました。
そしてついにそのトリュフが到着したのです。
つづく
投稿者 academy : 23:53
本日のぼやき その18 ◆ 滋賀 比良山荘 伊藤剛治 ◆
新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ、つまらぬ“ぼやき”にお付き合い下さいませ。
それでは、ねずみ年始まりまして早々の“ぼやき”でございます。
我が山荘の、この時期の人気メニューといえば、“月鍋”でございます。
“月鍋“とは、“月の輪熊”の月をとって命名しました。
“熊”と聞けば、なんと野蛮なゲテモノ料理と、思われる方もあると思いますが
冗談ぬきで、ホンマに美味い!!
冗談ぬきで、品が良い!!
なにも知らずに、笑う人が、一番品がわるい。(まぁまぁまぁまぁ落ち着いて!!)
話しを戻しましょう。別にウチの宣伝をしたかった訳ではないんです。
その鍋を焚きながら、お客さんとの話しが興味深いものだったんです。
私「近い将来、熊は捕獲が規制されるかもしれません。いわば“絶滅危惧種”ですわ」
客「熊だけとちがって、自然のもん、天然のもんは、みんな“絶滅危惧種”になるでー」
私「えらい事になりますなー。ホナどないしたら守れます??」
客「そんなもん簡単なことやがな。人間が、絶滅したら済むことや!!皆助かるがなぁ!!」
私「なるほど!!人類が絶滅したら地球は助かる。」
なんかスッキリしたのか、しないのか、よくわからん話ではありますが
確かにお客さんの言わはるとうりです。
正月早々から、考えさせられる一言でした。
そして色々と考えてみた結果、
人類がこのままの調子で、ひとりよがりな悪行を重ねてゆけば、
むしろ我々自身が“絶滅危惧種”なのかもしれません。
合掌
投稿者 academy : 23:48
裏方さん、ありがとうございます。 ◆ 梁山泊 主人 橋本憲一 ◆
新年明けましておめでとうございます。
今年は日本料理アカデミーにとって飛躍の年になりますように、お祈り申し上げます。
年明け早速、二月八日に第1回日本料理コンペティション決勝大会が行われます。
熱き戦いが繰り広げられるわけです。
その準備に大わらわと言ったところが、舞台裏です。
各選手、審査員の先生方への日程連絡や当日の案内など、
有能な事務方がてきぱきと進めて下さっております。
縁の下の力持ちさんです。
裏方の仕事は出来て当たり前、しくじると問題になるという、損な役回りです。
それをボランティアで引き受けて、真剣勝負の舞台を真剣に支えて下さっております。
日本料理アカデミーの事業はこのような裏方を買って出て下さる方々によって支えられています。
私は日本料理コンペティションの副実行委員長として参加させていただき、
裏方さんの尽力がなければ、この事業は実行できなかっただろうと思っております。
いや、どの事業にも裏方でがんばっている大勢の方々がおられることだと存じます。
日本料理アカデミーの会員として、社会に役立つためにはどうすれば
参加できるのかが明確になれば、日本料理アカデミーの事業もより充実していくだろうと思います。
参加に躊躇されておられる方々も事務局におたずねになればいかがでしょうか。
裏方さんへの感謝と共に、お誘い致します。
本年もよろしくお願い申し上げます。
投稿者 academy : 23:55
私の好きな言葉16 ◆ 鶴清 田中信行 ◆
今月はナポレオンの言葉を載せさせていただきます。
ナポレオンの言葉でよく皆様もご存知なのは、
「私の辞書に不可能の文字はない」という言葉ですが、
今回はまた違う言葉を載せたいと思います。
「状況?何が状況だ。俺が状況をつくるのだ。」
ナポレオンはフランス革命後のフランスをまとめあげ、
フランスに帝政を敷き、ナポレオン戦争と呼ばれる戦争で全ヨーロッパを侵略していきました。
このように連戦連勝の戦争を繰り返し、自分の思うような状況を作り上げてきたからこそ、
出てくる言葉なのだと思います。
私などは状況に応じて対応していくという考え方でいたのですが、
この言葉をしり、状況は自ら作っていくものだと感じました。
なかなか自分の思うような状況を作り出すのは難しいのですが、
失敗しながらもいろんな経験をし、少しずつ自分の思う状況を
作っていきたいと思っています。
投稿者 academy : 23:58
自由の鐘は鳴らない ◆ 右源太・鳥居宏行 ◆
(前回からの続き・・・)
落水荘の余韻を楽しみながら、なだらかなアップダウンが続く高原地帯を快適に飛ばす。
左右に見える牧草地帯では牛がゆっくりと草を食んでいる。
広い芝生の庭を持つ家々には、キャンピングカーとボート、
それを引っ張る小型トラックがお決まりのように並んでいる。
今日はフィラデルフィアまで戻って一泊し、明日は今回の旅のメインである、
ニューホープにあるジョージ・ナカシマの工房を14年ぶりに訪れる予定だ。
映画ロッキーで有名なフィラデルフィアは、1776年7月4日の独立宣言の
舞台となった事で知られている。いわばアメリカ誕生の地ということだ。
私も敬意を表して、独立宣言の時に高らかに鳴り響いたという自由の鐘を見学したが、
なんとヒビが入っていて今は鳴らないという。
なんじゃそれは!!と思いながらニューホープへ向かって車を走らせる。
お腹が減ったのでタコベルに入った。
ん?お昼時やというのにお客さんがゼロ。
注文しようと思ってカウンターに行くと、キッチンはすべて防弾ガラスで仕切ってあるではないか!!
目の前にいる店員に向かってマイクで注文する。
タコスの受け取りも、お金のやりとりも防弾仕様の透明な引出しを使う。
この辺りは、この店が出来たあとに治安が悪くなったのか?
それとも最初から強盗を想定した設計だったのか?・・・
とにかく、こんな雰囲気で飯が喰えるかい!!と思ってテイクアウトにした。
車に戻ろうとすると、なんと、さっきまで誰もいなかったのに、
浮浪者が車の周りをウロウロしているではないか!!
きっと食い物かお小遣いを強請るつもりに違いない・・・
どうしようか迷ったが隙をみてダッシュして車に乗り込んだ。
素早くドアをロックして、エンジンを掛けるのももどかしく、急いでタコベルを後にした。
タコスは車を運転しながら食べるのには向いていない。
具がポロポロと落ちてしまう。
それにしても、普通の街角で、どこにでもあるようなファーストフード店が防弾仕様とは・・・
芝生の庭付きの家々には塀さえも無かったのに・・・極端すぎるやろ!中間は無いんか?
複雑である。
Gパンに落ちたタコスの具を拾って食べながら、このまま貧富の差が拡大していったら、
日本もそんな事態になるんやろかと考えていたら、またまた田園風景の中に入り込んだ。
もうニューホープまでは直ぐだ。
ここはペンシルバニア州とニュージャージー州の境にあって、
ニューヨークから車で3時間程の距離にある。
マンハッタン島の富裕層はこうした田園の中に農場付きの別荘を持って、
自家用ヘリでやってくるのだ。
スケールは全然違うが、いうなれば、東京における軽井沢みたいな所だ。
そしてたどり着いた、14年ぶりのジョージ・ナカシマの工房。
アプローチから駐車場に向かって、静かに車を進めた。
(次回へ続く・・・)
投稿者 academy : 23:45
年末年始に思うこと ◆ 天喜 石川 輝宗 ◆
あけましておめでとうございます。今年もよろしく御願いいたします。
私はっきり言って年末年始は一年中で最も嫌いな時期です。
特に今年など1月1日はデパートやお客様から年末に出荷した御節について
表示シールのミスやクレームがこないかどきどき物でした。
過去において神戸や岐阜まで小旅行をしたことさえあります。
それに1月3日の営業に備え普段より高い食材をそろえなくては成りません。
お客様は相場などわかるわけないですから特別料理と称して値上げなどできるわけありません。
とくに常連様が多いのです。
それに家でゆっくりテレビを見ていても特に今年はミシュラン寿司2丁食いとか
訳のわからんことやってますし、前も書いたことあるのですけれど
作った職人さんどんな気持ちで見ていたのかなーと思いました。
僕だったら割り切れないし、うちの親父でしたら
テレビ局と喧嘩していただろうな(過去経験あり)と思いました。
だから取りためてた風林火山見てました。
とは言えやはり家族で過ごす貴重な時間であるのには変わりません。
それにいろいろなことをゆっくり考えられる時でもあります。
今年は鞍馬山にのぼり虎をもらい、貴船神社の水で身を清めました。
(これぐらいで清まるわけないけど)
皆様共々いい1年でありますように。
写真は当店の御節と、代々の意味を込めてある宗匠親子に書いていただいたものです。
投稿者 academy : 23:51
餅 ◆ 岡庄 岡 豊雄 ◆
今日は餅を食べようかと思います。
おもちゃのようなお飾りですが、食べられるお餅です。
簡単に飾り付けをしておきました。
上から、末広(すえひろ)橙(だいだい)蜜柑ではありません!水引(みずひき)
御幣(ごへい)三方(さんぽう)で飾りました。少しいわれを紹介します。
末広(すえひろ)
末永く繁盛していくという意味が込められています。
橙(だいだい)
木から落ちずに大きく実が育つことにあやかって、
代々家が大きく栄えるようにと願った縁起物です。
水引(みずひき)
結ぶことが心を表すという日本古来の結(ゆい)の思想が水引という形になりました。
品物に心が込められるという意味があります。
御幣(ごへい)
四手(しで)ともいわれ、四方に手を広げ、繁盛するようにとの願いが込められています。
また、紅白の赤い色は魔よけの意味があります。
三方(さんぽう)
鏡餅を乗せる台。尊い相手に物を差し上げるときには台に乗せるのが
礼儀であることから使われています。平安時代には「衝重ね(ついがさね)」といわれていました。
お餅は高カロリーですので少しづつ食べようと思います。
今日は早速お雑煮にします。
投稿者 academy : 23:53
2008年 謹賀新年 ◆ 学校法人 大和学園 小笠原 淳 ◆
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
本年も日本料理アカデミー会員、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
新年、明けましておめでとうございます。
京都調理師専門学校の小笠原です。
旧年中は何かとお世話になり、又色々とご指導ご鞭撻を賜りありがとうございました。
本年も昨年同様、宜しくお願いいたします。
今年の十二支は【子】(ね・ねずみ)ですね。
よく「干支はなに?」と聞いてしまいますが、「干支(えと)」とは、
正確には「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」の組み合わせからいう言葉です。
「十干(じっかん)」は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類で
「十二支(じゅうにし)」 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の12種類です。
2008年の、十干は「戊(つちのえ)」、十二支はご存知の「子」なので、
干支は「戊子(つちのえね)」となります。
ですから誰かに聞くときには「干支は?」では無く、
「何年生まれ?とか十二支は何?」と聞きましょう。
新年早々、くだらない話になってしまいました。
話は変わりまして、今年は2月8日に日本料理コンペティションの決勝が開催、
フェローシップ事業(2月8日開催のワークショップ)と大きな事業が間近に迫っており、
今年も早々に忙しい日々が続くと思っておりますが、他の会員の方々のご協力のもと、
運営に携わって参りたいと思っております。
各会員の方々にはお手伝い等、お願いすることもあるかと思いますが、
よろしくお願いいたします。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿者 academy : 22:04