オールインワン ◆ 山ばな平八茶屋 園部晋吾 ◆
最近は、何でもオールインワンの方向に向かっている。
確かにいろいろな機能を複合で1つの機械に取り込むことは、
製作面でも、利用面でも、なにかと都合がよく便利なものである。
ひとつでコンパクトにまとまり、いろいろな機能がついていると、
それひとつで、様々なことが出来る。
なんとも便利なのだが、逆に、欠点もある。
どこか一箇所が故障しても、複雑に絡み合っているために、
結局全部取り替えになり、買い替えになってしまう。
部分的に、そこだけ直すというのが、非常に難しいらしい。
さて、それとは対照的に、昔の機械というのは、部分部分でひとつのものを構築していた。
悪ければ、そこだけ変えれば済んだ。
うちにある真空機は、業務用で非常にシンプルなものだ。
真空する以外、何も出来ない。
そんな真空機も、20年ほどの間に、何度も故障をした。
簡単な故障なら、会社に電話すると、すぐに対応して、部品を送ってきてくれる。
メンテの人が来て、直してくれるのではなく、部品を送ってきて、
懇切丁寧に取り替え方を説明してくれる。そのとおりにすると、直る。
「こんな症状が出た」といえば、
「どこどこを見てください。チューブが外れてませんか?」
「チューブが切れています。」
「じゃー、送りますね。」
「この様にして取り変えてください。」と、こんな調子だ。
何にしても、人件費が一番高い。
1回来たら、1~5万の修理代は取られる。
これならば、部品代だけで済む。
そんな機械も、先日とうとう壊れた。
中枢の真空ポンプの故障らしい。
その部分だけの取替えも出来たのだが、周りもかなり、
古くなっていたので、買い換えることにした。
どんな機械なのか楽しみにしていたのだが、新しく来た機械は、20年前のものとほぼ同じ。
デザインも機能も。
20年も経ったのだから、さぞかし便利な機能がついているかと思ったのだが、
何も変わらずただ普通に真空することだけできる。
「窒素充填や液体真空など便利な機能は、ついていないのですか?」と尋ねたら、
「つけることはいくらでも出来るが、どのくらいその機能を使うの?
付けても利用しないのなら、お金はかかるし、故障する機会も増えるよ。どうする?」と。
確かに無駄のない合理的な考え方だ。
何かといろいろな機能をつけて少しでも高く売るのとは違う。
完全に、顧客の立場に立った考え方だ。
そういえば、うちの風呂の濾過器は、昭和48年製造と書かれていた。
昔の機械ほどシンプルで長持ちする。
そして部分的な修理や消耗品の交換で使うことが出来る。
畳なども最たるものだ。
大量生産大量消費の時代、古き日本のよさを思い起こさせる貴重な会社だ。
投稿者 academy : 2007年12月19日 23:51