2007年12月12日

日本料理コンペティションの本選         梁山泊  主人 橋本憲一

年が明けると、日本料理コンペティションの本選に向けての準備が始まる。
2月8日決戦はブラックボックスという方式だ。食材が何かわからない。

会場で食材が入った箱を初めて開き、それらを見てから献立を考えるという方法だ。
そこで、運営実行委員会としての食材選びは地方差の不利益が極力でない工夫を
念頭に選ばなければならない。

この選択は神経をすり減らす作業になるだろう。
寒帯から亜熱帯までをカバーするわが国の地形では、同時期の季節が大きく違っている。
しかも、季節感が重要なポイントになる日本料理だ。前提におおきな矛盾を抱えている。
これを克服して行く覚悟で、ブラックボックスを詰めていくことになる。

さて、選手にとっては即応力と、構成力それに意図というか、
料理を通じて何を伝えたいかという哲学まで競うことになるだろう。
レベルの高い真剣勝負が繰り広げられる予感がある。
調理の腕にとどまらず、幅広い分野への関心が総合力として
最終的に勝敗の鍵を握りことになると思われる。
とりもなおさず、料理人としての生き方が問われることになるだろう。

一般には、文章は書いた人そのものだということから、「文は人也」と言われるが
「料理もまた人也」ということだ。人が作るものには、作った人の人柄が反映すると言う。

しかも、作られた料理を作業審査・試食審査・外見審査という三方面から審査することで、
「料理もまた人也」が浮き彫りにされる。

審査する方とされる方の真剣勝負でもある。
いくつもの真剣勝負を重ねて第一回優勝者が選ばれるわけだ。

選ばれた者は素直に誇りと思っていいとおもう。
きっと勝利を驕り高ぶるような軽薄な者は選ばれないからだ。

この事業に関わって、丁寧に配慮し、積み重ねることでしか得られない質があることを知った。

2月8日の本選にはできるだけ多くの会員諸君に触れていただきたい。
組織としてだけでなく、一料理人として得ることが必ずあるように思える。

料理人の誇りが共有できる一日になるだろう。

投稿者 academy : 2007年12月12日 23:55