落水荘 ◆ 右源太・鳥居宏行 ◆
ウエッ…
胃のムカつきを覚えて目を開けた。
頭が割れそう、それに昨夜の記憶が無い。
どうやって帰ったのか…
枕元の時計を見る…「!!!」
「あかーん! 飛行機に乗り遅れるぅー!」
とにかく家を出て関空に向かう。
昨夜は業界の研修会があった。
二次会でテキーラを一気飲みした事は覚えている。
そして、カラミ酒だったような自覚もある…
やばい、またやってしまった…
なんとか無事チェックインに間に合い、恐る恐る、
昨日最後まで一緒で、迷惑をかけたと思われる中東君と才木君にお詫びの電話を入れる。
しかし、どっちも留守電…
自己嫌悪に陥りながら、デトロイト経由ニューアーク行きの便に乗り込んだ。
機内でワインをがぶ飲みして暴睡!する筈が二日酔いで一滴も飲めず、
気持ち悪さで一睡も出来ない。
それでもニューアークに到着するころには酒も抜け、
レンタルしたシボレーに荷物を積み込み、ルート78を西へ向かう。
今日中に行ける所まで行こう。
明日の11時までに、フォーリングウォーターに着かなければならない。
翌日、予約時間ギリギリに目的地に到着した。
ペンシルバニア州ピッツバーグ近郊の山中にある、
フランク・ロイド・ライトの名作「落水荘」だ。
10年前、左源太を改装する時、同じように川沿いに位置する事から
密かにディテールをパクっていたのだが、実物を見た事が無かった。
近い将来、再改装する前に、どうしても見ておきたくて、今回の旅に組み込んだのだ。
目の当たりにした落水荘は、想像していたよりも巨大だった。
山肌の岩壁がイメージの元だそうだ。
ガイドの案内で、玄関を入るとすぐにリビングがある。
床は石張りで窓が最大限に開けている。
暖炉の傍にはダイニングがある。
斜面に這わせるように3層のフロアとテラス、
川面へ降りられる階段、3階から上に続く別館…どこを見ても流石に絵になる。
片持ち式で川面に張り出したテラスは勿論の事、写真では解らなかった間接照明も興味深い。
窓枠の下部や各家具の上部、梁等に細かく照明器具が仕込んである。
辺りが暗くなると、相当いい雰囲気なんやろう。
そしてやっぱり、これはライト流川床なのだ。
日本にも数々の名作を遺しているライトは、貴船の川床を知っていたのではなかろうか?
川面に降りる階段には、床机をならべるつもりやったのでは?
等と勝手な解釈をライトに語りかけながら、つかの間の滞在を楽しんだ。
1.川下から臨む落水荘
2.落水荘のイメージの元となった岩盤
3.落水荘で買った照明器具(左端)右源太洋室のサイドテーブルに置いてみました。
投稿者 academy : 2007年12月06日 23:52