2007年11月22日

藤森小学校 5年1組 味覚教育      料亭旅館 清和荘 竹中 徹男

11月22日木曜日、つまりブログ担当の当日、
地元藤ノ森小学校の「味覚教育」授業がありました。

地域食育委員会にはもう入れて頂いて久しいのですが、
お恥ずかしながら私が主体となる授業はこれが初めてでした。

事前に担任で学年主任のk先生とお話をして、先生の方から指導案を提示して頂きました。
学習の目当ては「出し汁を味わいすまし汁を作る」と言う物です。

他のモデル校では3年生あたりでする「味覚教育」ですが、
当校では今までほとんど「食育」に取り組んで居らず、
給食献立に書かれてはいるのですが、ほとんどの生徒は見て居らず、
父兄も一部の方が見るぐらいでしたので、ほとんど初心者マークの学校でした。

そこで、今までの「昆布だし」や「かつお出し」を味わうだけでは物足りないと思いましたので、
私なりにいくつかの工夫をしてみました。

まず第一に、出汁の事を語るときに、幸いこの夏教育委員会の方々と研修させて頂いた
「礼文島視察」の画像や、他のメンバーから頂いた「かつお研修」の画像、
そして出汁を引く画像を私の店で撮影した物などを交えて、
おもしろおかしくパワーポイントにまとめる事にしました。

その中には、昆布が太陽の恵みをいっぱい受けている様子、
採っている方々の苦労、礼文島の大自然の様子、
かつお漁船の苦労、その加工風景と掛かる時間と手間、
出汁を引くポイントなどを盛り込みながら、「五味」と「旨み」の話しも出来るように作りました。

お陰様で生徒も大変興味を持って聞いてくれ、
自然の偉大さや、それぞれが命を持っている事を感じてくれたようでした。

また、「昆布だし」「かつお出し」「合わせ出し」の飲み比べをする事はもちろん、
各テーブルで出汁を引く実習をしてもらい、
その香りや、旨み、出来たての美味しさを感じてもらいました。

その上、有る一定分量の塩と淡口醤油を渡して
「各テーブルで味見をしながら、好みのお加減ですまし汁をつくって下さい」ということにしました。

大変興味深かった事は彼らが大変慎重にかつ真剣に味付けにこだわってくれた事です。
お加減が良いとか悪いとか、みんなでワイワイしながらも、気に入ったお加減にしてくれたようです。

そこで、あらかじめ用意した豆腐と若布を入れたお椀を回し、
おすましにしてもらいました。

それまでは出汁も勝手に味見をしていたのですが、
この時ばかりは「みんなが揃ってから」の合図を出し、
お箸を手に「いただきます」の声も高らかに「めっちゃうまい!」
「ほんまにええ臭いや!」などの感嘆の声と共に、一気に飲んでしましました、
中には好き嫌いが激しく、豆腐が食べられない子供もおりましたが、おつゆは全部飲んでくれました。

残ったおつゆを参観していた関係者や父兄にも飲んで頂き、
「本当に美味しい」と教室内がなんだか「温かい空気」に包まれました。
これが「家族団欒」の原点だとみんなが感じてくれたような気がします。

野生の肉食動物は獲物を捕らえると、ボスがまず一番に美味しい内臓を食べ、
ついで下の物が争うように残りを食べると聞いています。
力のない物は食べる事が出来ず、生きながらえる事が出来ない物もあるでしょう。
しかしながら、人間は同じ食べ物を分かち合い、喜びを感じ、
いろんな会話を楽しみながら食事をします。

まさに「共食?」です。

そうする事で仲間意識や愛情が育まれ、豊かな生活や文化が育ってきたのだと思います。
(文化が行き過ぎて戦争や、自然破壊も産まれていますが・・・)

我々日本人もこの「共食」を忘れているのではないでしょうか?
食卓にはナイターのテレビが放映され、子供が嫌いな物を残そうが、
お箸の使い方が下手だとか、学校でいじめにあって顔色が優れないとか、
何のサインも見逃し、挙げ句の果てに会社帰りが遅い為子供は
一人で好きな物だけを好きなように食べている、
「躾」もなにも合った物ではありません。

私たちの商売も、余り子供と一緒に食事はする時間はありませんが、
その分何かで取り戻すような「仕掛け」も必要でしょうし、そう努めるべきだと感じています。

今日お越しになったA企業のN氏によりますと、この会社は合わせ調味料をはじめ、
食品関係の仕事をされているのですが、その開発者が、夜遅くまで仕事をし、
家族とも食事をせず時間が遅いと言って「出し」も引かずに料理をするどころか、
時間がないとコンビニのお弁当ですませるそうです。

こんな事ではこれからの日本にとって良い商品は出来ないかも知れないとお話しされておりました。

また、我々が取り組んで居る「出し」は「ハレ」であり
その企業が作る合わせ調味料は「ケ」で有るべきだともおっしゃっておりました。

つまりはこれからの日本には古来より伝えられてきた「ほんまもん」が必要だと言う事でしょうか?

今日の興奮さめやらぬまま、徒然にしたためてしまいました。
お許しあれ!(前回渡米中につき抜けお詫び!)

投稿者 academy : 2007年11月22日 23:37