2007年08月17日

トマトの魅力                          瓢亭 髙橋義弘

グッと冷やして、サッと洗ってかぶりつく。

ほんのりと青臭い香りがふっと鼻をかすめ、
ザクッと噛み入れた瞬間に、
ジュワッと中から汁があふれ出す。

キンとした冷たさが歯を刺激し、
汁が口の中にあふれ出て、
おさまりきらずに頬を伝う。

口中がかゆくなるくらいの甘味が伝わり、
清涼感ある酸味が追いかけてくる。

あふれ出る汁が、なんとかこぼれない様に
息を吸い込みながら、さらにかぶりつく。
興奮度も高まる。

気が付いたら手はベタベタ。
それでも最後まで汁も残さず食べようと、必死でかぶりつく。

食べた後も口中だけでなく、
顔中にその香りと味の余韻がまとわり付く。

丸ごと一個食べ終わると、
いつの間にか汗も引いて、ほっとした気分。

あっ、手と口を洗わなきゃ!

赤く丸々として、はじけそうなくらいに身が詰まったトマト。
圧倒的に存在感のある、何者にも替えがたいこの風味。
こんなにもいろんな味を持った野菜が他にあっただろうか。

生で食べることが多いトマトは、加熱してもその存在感は変わりません。
トマトはうま味を持った野菜。
その活用法は無限大です。

今年の夏は、特によくトマトを食べました。
と言っても、ただ私がよく料理に使っていただけですけどね。

熱々で食べるトマトと若布の茶碗蒸し、
ホタテを使って冬瓜と一緒に炊いたトマトの冷やし鉢。
トマトと鱧の骨でだしをとって吸地に仕立てた鱧の煮物椀。

トマトをそのまま生で使うのではなく、
加熱することで食べやすく、違ったおいしさが楽しめる。
火を加える加減で適度な酸味を残してみたり、
じっくりと時間をかけてうま味を抽出してみたり。

組み合わせによっておいしさに広がりがある野菜、
魅力的です。

でもやっぱり冷たいトマトをかぶりつくのは大好きで、
微妙な青臭さがなんともたまりません。

今日も一個食べました。にひ。

投稿者 culin : 2007年08月17日 23:32