礼文島昆布研修 ◆ 懐石・宿 近又 鵜飼治二 ◆
7月4日から6日まで京都市教育委員会主催で
地域食育推進委員会の研修の一環として
食材研修【利尻昆布】のため北海道礼文島に行ってまいりました。
参加者は7名。京都市から6名、日本料理アカデミーからの参加者は、
私と中村元計君と竹中徹男君の3名でした。
梅雨入りした本州と違い、梅雨のない北海道はその通りの天候で、
地元の方も驚くほどのすばらしいこの上ない天候に恵まれました。
京都を朝8時に出て飛行機を乗り継いで利尻島に着き、
船に乗り礼文島に着いたのが午後4時ごろでした。
(時間的にはこんな距離になります)
地元の方の温かい歓迎を受け到着して早々船を出していただき、
天然昆布と養殖昆布の育成地に出向きました。
透明度の高い美しい海でした。
昆布は以外にも海岸近くの手のとどかんばかりの場所に生息しており、
海の栄養分と太陽の光を浴びてこそ上質の昆布ができると言うことでした。
ここ礼文はリマン海流と対馬海流がぶつかるところ、
荒波にもまれてしっかりと海底に根付きますが
1年目のものはまだまだ成長段階でその荒波に流され
2年目に芽吹いた昆布が肉厚で味のいいものが出来るそうです。
養殖もロープに種付けされ1年経てば間引きして良いものをもう1年育てるそうです。
素人目には天然か養殖かはわかりにくいものですが、
だいたい天然物は80cmぐらいで養殖ものは1mぐらいがいいそうです。
夏になり天候のいい日に収穫し、すぐさま8時間ほど天日干し、
そして、小屋に整頓よく並べ手作業で昆布の等級分けをし、
そしてはさみで耳をそろえ製品化するという作業です。
去年の焼津で見た鰹節の製造工程も大変なものでしたが、
この昆布も大変な作業工程です。
島も高齢化が進み、島の人たちとともに本州からのアルバイトで来た
助っ人の若い人たちがこの天日干しの作業を進めていました。
さて、今回の研修のメインは、【昆布サミット・in・礼文2007】が行なわれたことです。
敦賀の昆布問屋【奥井海生堂】社長・奥井隆様の音頭で開かれたもので、
NPO法人うま味インフォメーションセンター理事二宮くみ子様の司会で
奥井隆氏、礼文島町長はじめ香深,船泊漁業組合長、理事、
京都市から京都市教育委員会教育長門川大作氏、
日本料理アカデミーからは私がパネラーとなり、
「昆布漁の現状と今後」、「京都での昆布とのつながりと食育などについて」
それぞれが思いを述べ、最後に共同声明が発表されました。その内容をここで紹介します。
「父なる森と母なる海、森と海を両親として生まれ、
育まれた極上の昆布は、はるか昔から、北前船に乗り、
日本海の荒波を超え、敦賀、琵琶湖を経由し京の都に辿りつきました。
そして京料理を支えるだし汁として、持ち味を発揮、花開きました。
美しい四季と周りを海に囲まれた日本にはすばらしい乾物文化に恵まれました。
世界に誇る『乾物』を食育を通じて次の世代につなげ、
豊かな恵みを次の時代にも引き継げるよう環境問題を真摯にとらえ
文化と環境を守り伝えていくために次のことを宣言します。」
礼文島の自然、環境を守り昆布をはじめ、すべての水産物の生産を次の世代に
正しく継承するため努力を惜しみません。
海と森の大切な恵みである昆布や乾物の調理を次の世代に伝え、
日本料理のベース、だし文化の発展、継承に寄与します。
日本の食文化における昆布や、他の食材に関する正しい歴史や知識を食育を通じて
次の世代に伝えていきます。
世界から注目されるうま味「だし」の正しい文化をさらに広めて生きます。
消費者に安心安全な食材を届けるため、安心、安全な昆布の生産、流通に努力します。
以上
こうして島民の方とともに無事サミットも終え、
その後島民の方の心温まるおもてなしを受け、
皆、心地よく美しい礼文をあとにしました。
すばらしい島です。
皆さん機会があれば是非行って下さい。
利尻富士も美しく、高山植物もいっぱい咲いていました。
本州が梅雨に入る6月、7月がもっともいい季節だそうです。
投稿者 culin : 2007年07月11日 20:45