2007年06月27日
鮎の塩焼き ◆ 銀水 山岸裕明 ◆
夏の床といえば鱧と鮎。
やっぱり鮎は塩焼ですね。
蓼酢をちょっとつけて、頭から食べてもらいます。
塩をふって焼くだけの仕事なのですが、これがまた難しい。
炭火を火床の手前が高くなるように置いて、生きた鮎に串をうちます。
まず鮎の裏になる面を軽く炙って塩を立たせます。
次に表面を焼き上げます。
目が白くなったら焼けた証拠なのですが、頭から食べられるように
口の中に鮎の油が沸騰したように見えたら裏返します。
そして今度は裏からじっくりと火入れをします。
この時、鮎の頭が焦げるプチプチという音に全神経を集中させます。
鮎の油で頭の骨をフライ状態にして食べられるようにするためです。
金網に笹を敷きその上に鮎を盛り付けます。
塩をつめたホウラクの真ん中にいこった炭を置いて
竹の添え串をそこで燃やして煙が出るようにし先ほどの金網に
盛った鮎をのせて蓋をしたら、急いでお客様のところへ持っていきます。
川魚が嫌いという方も意外に多いのですが、
こうしてお出しすると食べていただけるようです。
この前、20代前半のお客様が
「鮎は燻製にしてから焼いてあるのですか?」とお尋ねになられました。
焼いている時に鮎の油が炭の上に落ちるので、
その煙が燻煙の替わりになって炭で焼いた独特の風味になります。
たぶんその方は炭火で焼いた鮎を初めて食べられたのでしょう。
鮎を大変気に入っていただき、「一生懸命に焼いてよかったなぁ」と誇らしい気持ちになりました。
投稿者 culin : 2007年06月27日 21:25