2007年05月23日

日本料理コンペティション開催を通じて        嵐山熊彦 栗栖 基

このたび本年4月より翌年2月の長期間に亘り
日本料理アカデミー主催、第1回日本料理コンペティションが実施される。

日本各地区からコンペティション規定に基づいたエントリー応募を行い
書類審査を経て8月~9月末まで、およそ2ヶ月間、全国6ブロックで地区予選会が開催され、
この結果を待って、来年の2月に京都で地区予選会を勝ち抜いた料理人・調理師による
本選大会が繰り広げられる。

おそらく、このアカデミーブログをご覧の方はアカデミーHPのトップページに
日本料理コンペティションのバナーが貼ってあることにお気づきのことであろう。

つまりこのコンペティションHPをご覧いただければ、
コンペティション概要、アカデミーの事業目的をご理解いただける仕組みになっている。
そしてこのたびのコンペティション事業規模がいかに壮大なスケールで
計画されているかお気づきになると思う。

その中で実行委員長という大役を仰せつかっているのが、
なにを隠そう私自身であり、これまた私には大変な重責である。

第1回という記念すべき大会に私どもが中心となり事業を推進させていただくとは、
誠に光栄且つ、アカデミーが目指す日本食文化のさらなる発展に寄与し、
我々が日本料理を通して社会に貢献できるまたとないチャンスと受け止めることができよう。

しかし、人にはそれぞれ身分相応というものがあり、
今の私にはこのたびの大役は不相応と自他共に認める。
が、その責務をリカバリーしていただけるパートナーの方々に恵まれ、
何とかこれまで挫折をせずに進んでこられた。

これを機に今一度、足もとを見直すと共に、
日々努力を怠らずコンペティション事業成就に最善を尽くしいきたい。

人間は生きていく過程において様々なハードルを乗り越えていかなければならない。
また時には、一人ではなく同士と共に立ち向かうことも必要である。
そして向上心や気概といった人間が本能的に備えている能力を駆使して、
均一化された世界に身を委ねるのではなく自ら競合心を持って自己の研鑽に努めるべきである。

結果としてそのような研鑽活動によって育まれた知識(知的財産)なるものが、
やがては社会的貢献につながるのである。

このたびの日本料理コンペティションはまさに料理人にとっての自己研鑽の場であり、
この事業が継続されることにより、わが国固有の食文化はさらなる振興と発展をとげるであろう。
つまりそれだけこのコンペティションへの関心度が高まれば高まるほど、各地域における、
日本料理を生業とする人々に対して地産地消を基軸とした郷土の食文化、食育、
食材への関心を高め、職業人として意識の向上を諮ることができるのである。

人間にとって大切なことは、努力した結果ではなく、ある目標に向かって努力しようとする
気概であり、その目標に到達するまでの過程をどれだけ楽しむことができるかである。
山を乗り越えた後により高く、険しい山がそびえる人間社会、
とくに情報化文明の発達した現代社会はまさにその集約地である。
私を含め多くの社会人はその中でもがき苦しむ、しかし、天より与えられた分をわきまえ、
大義名分のもとに、人としての徳を積むことを尊と考え、自己実現に努めれば、
時には苦しみも楽しくとらえることができるのである。

近年、日本料理は様々な意味で変革期を迎えている。
この時期に日本料理コンペティションを開催し継続させることは郷土食文化の相互理解を深め、
今後、日本料理が進んで往くべき大道を暗示させる礎になると信ずる。

投稿者 culin : 2007年05月23日 21:46