2007年05月12日

地産地消というけれど               梁山泊  主人 橋本憲一

西条という町が四国の愛媛にある。水の綺麗なところとして知られている。
おかげで、うまい野菜の生産地として名を馳せている。しかしながら、
西条で生産される野菜がすべてうまいというわけではない。
が、中には驚くほどうまいものがある。これからだと胡瓜だ。
 
数年前になる。『料理王国』から、「ふだんよく使う野菜を、ふだんよく使う調理法で作りながら、
今までにない料理を考えてほしい」という企画のオファーがあった。
それにこの西条の胡瓜を使うことにした。胡瓜はありふれた野菜の代表的なものだ。

さて、調理方法だ。胡瓜と肩を並べる代表的野菜に茄子やカボチャがある。
茄子やカボチャはフライにするが、胡瓜はフライにしないことに気づいた。
それ幸いと、胡瓜のフライを考えた。雑誌の企画だったが、いまでは店の定番になっている。

うまい野菜でなければ、思い浮かばなかった一品だ。
野菜にというか、食材に救われたわけだ。その西条に明日行く。
「食の創造館」のオープニングイベントの一環として
「西条の食材で手軽に作れる京料理教室」をする。
もちろん「胡瓜のフライ」も作る予定にしている。

これが京料理かと尋ねられれば、真顔で「そうだ!」とは言えないが、
京料理が育んだ「食を喜び、楽しむ」という精神から逸脱しているとは思わない。
食を通じて、幸せを味わえる。すなわち、地元を言葉でなく、
食い物で誇りに思えるなら「地産地消」の意味にも合致する。

しかし、と考える。地元で消費してしまえば、地元には外からお金が入ってこない。
西条市の市長さんは、「地産地商」とおっしゃる。地元で作り、
地元を生かす商いをする。この方がスケールを感じる。

明日は市長さんにもお会いできるとか。
そのあたりの真意を尋ねてこようと思っている。

 

投稿者 culin : 2007年05月12日 22:06