地産地消というけれど ◆ 梁山泊 主人 橋本憲一 ◆
西条という町が四国の愛媛にある。水の綺麗なところとして知られている。
おかげで、うまい野菜の生産地として名を馳せている。しかしながら、
西条で生産される野菜がすべてうまいというわけではない。
が、中には驚くほどうまいものがある。これからだと胡瓜だ。
数年前になる。『料理王国』から、「ふだんよく使う野菜を、ふだんよく使う調理法で作りながら、
今までにない料理を考えてほしい」という企画のオファーがあった。
それにこの西条の胡瓜を使うことにした。胡瓜はありふれた野菜の代表的なものだ。
さて、調理方法だ。胡瓜と肩を並べる代表的野菜に茄子やカボチャがある。
茄子やカボチャはフライにするが、胡瓜はフライにしないことに気づいた。
それ幸いと、胡瓜のフライを考えた。雑誌の企画だったが、いまでは店の定番になっている。
うまい野菜でなければ、思い浮かばなかった一品だ。
野菜にというか、食材に救われたわけだ。その西条に明日行く。
「食の創造館」のオープニングイベントの一環として
「西条の食材で手軽に作れる京料理教室」をする。
もちろん「胡瓜のフライ」も作る予定にしている。
これが京料理かと尋ねられれば、真顔で「そうだ!」とは言えないが、
京料理が育んだ「食を喜び、楽しむ」という精神から逸脱しているとは思わない。
食を通じて、幸せを味わえる。すなわち、地元を言葉でなく、
食い物で誇りに思えるなら「地産地消」の意味にも合致する。
しかし、と考える。地元で消費してしまえば、地元には外からお金が入ってこない。
西条市の市長さんは、「地産地商」とおっしゃる。地元で作り、
地元を生かす商いをする。この方がスケールを感じる。
明日は市長さんにもお会いできるとか。
そのあたりの真意を尋ねてこようと思っている。
投稿者 culin : 2007年05月12日 22:06