食材と旬 ~ 四季と日本文化 ~ ◆ 菊水 髙橋 正人 ◆
先日、中央市場で写真の野菜を貰いました。
「アイスプラント(バラフ)」と言うアフリカ原産の多肉植物です。
サボテンの仲間といった方が分かりやすいでしょうか。
いわゆる”新野菜”と言うもののひとつで食べると塩味がします。
乾燥に強く、塩分を含む土地でも栽培でき、土壌の除塩効果もあるということで
佐賀県あたりでは特定農産物として取り組んでおり、「水晶菜」と言う商品名で
流通しているようです。
サラダや炒め物などにとパッケージには書いてあります。
主に洋食や創作料理のお店などで使われているそうです。
私の場合はたまたま、妙な野菜が並んでいるなぁ、と言う
あくまでも見た目の興味から貰ってきたもので
これをどうこうしようと思っていませんでしたが、とりあえず
天麩羅にして食べて見ました。
食感的には挙げた事による大きな変化は無く、
もともと塩味がしているのでそのままでも食べられます。
生で食べられるものなので軽く火を通すだけにしました。
う~ん、香りがあるわけでなく、食べたからどういうものでもない。
難しい食材です。
これをうちの店で使うとすればどうなるのか、と考えた時にふと、思いました。
「これって日本料理(プロのと言う意味です)の中に取り入れて意味があるのだろうか」と。
日本料理の食材の多くは旬と言うものがあります。
旬があることで季節感が生まれ、それを食すお客様に四季を感じてもらう事が出来ます。
もちろん、アイスプラントにも旬はあります。(栽培時期的には冬の野菜だそうです。)
でも、”新野菜”と呼ばれる食材のほとんどは一般的に知られているものではないし、
それを食べて季節感を感じるかと言うと難しいでしょう。
例えばその料理をお客様に「旬は冬です」と説明してお出ししても
「ふ~ん、珍しいなぁ」とか「へーっ、冬の野菜なんやぁ」と言う話にはなっても
次にそれを食べた時に「もうそんな季節になったんやなぁ」と言うことには
決してならないと思います。
そうやって考えると日本人は食においても四季を感じ、楽しむ文化を持っているのだと
改めて日本に生まれた事をありがたく思いました。
最近は都会では四季を感じる事が減った、なんて話も聞きますが
食を始め、ちょっとした身近なところに目を落としてみると
季節を感じる事は出来ると思います。
たまには外に出て季節の移り変わりを楽しんでみませんか?
私?私も感じてますよ。春を鼻と目のあたりに・・・・(笑)
投稿者 culin : 2007年03月15日 13:25