弥生の茶趣 ◆ 美濃吉 佐竹洋治 ◆
毎月1回でありますが、私は桐蔭席というお茶席に
参加させていただいております。
この桐蔭席というものは、毎月名だたるお茶人の方々が
順番に釜をかけておられ、大変勉強になるわけでありますが、
ただ、難点なのがあまりにも文化レベルが高くてついていけないということです。
通常のお茶稽古ですと、わからない言葉、
例えば「茶杓の銘はしゅんぎょうでございます。」と耳にし、
「先生、しゅんぎょうとは何ですか?」と質問をすれば
「しゅんぎょうとは春の暁で春暁のことを言うのだよ。」と
先生が説明して下さいますが、桐蔭席の場でありますと、
雰囲気的にそのような質問をすれば、白い目で見られることがあります。
従って桐蔭席に参加する前にあらかじめ「予習」というものをしておかなければ
大変な恥をかくケースも考慮できますので、主に来月の桐蔭席に行くならば
下記の事項を頭に入れておく必要性があるわけです。
記
・潮干狩(引き潮の浜辺に貝を拾うもので、古来より3月3日を中心として行われた。)
・曲水(杯を流れに浮かべて前にきたら詩歌を詠む。厄除けの意味。)
・鶏合わせ(鶏を蹴合わせて勝負をさすもので、3月3日に行われる。)
・柳の鬘(中国で3月3日に柳の枝を腰に帯びると疫病を除くとされ、
これがわが国にも伝わって桃の枝とともに髪にさしたり、雛に供えたりする。)
・曙棗(枕の草紙の春はあけぼのはあまりにも有名。
ほのぼのと明けゆく3月の大気の中にどこかなまめいた感じがある。)
・御所人形(真っ白い肌、ふっくらした肉付、大きな頭、小さな手足が特徴で、
日本人形代表。参勤交代時、公家、御所への贈り物のお返しに頂いたことからの名称。)
・流し雛(紙で作った人形に自身の汚れを移して川に流して邪気を払う意味がある)
・奈良のお水取り(3月12日に行われる行事で、東大寺二月堂にて行われる
国家安泰などを祈る祈願法要のこと。お水取りはお香水汲みともいわれ、
若狭より10日間かけて東大寺二月堂「若狭井」へと届く)
・朧月夜(この時期は水蒸気が多いために薄絹で包まれたように見えるので
このような名称がつけられた。)
以上
まだまだ他にも多々ありますが、ある程度の知識をつけて参加しないと
何のために時間をさいているのかわからなくなってしまい、
また、お茶席においては料理へのフィードバックがかなりあります。
例えば柳の鬘の場合ですと、八寸に結び柳を添えるだけで、
お茶人さんならば「なるほど」と季節を感じられるわけでありますので
自身の教養を高めるということや、人との交流の大切さを学ぶということなども兼ね備えた上で
可能な限り桐蔭席などの文化的な場に参加していきたいと思っております。
投稿者 culin : 2007年02月20日 20:25