2007年01月17日
うずみ豆腐 ◆ 瓢亭 髙橋義弘 ◆
静かに期待を寄せながら、黒塗りのお椀の蓋を開ける。
ご飯と白味噌の香りが顔を覆うようにして広がる。
米粒がツヤツヤと光り、
表面には十分な粘りを持って寄り添っている。
まずご飯を一口。
柔らかく口を湿らせ、
これまでに味わったことがないくらい
お米の風味が前面にあふれ、
安堵感とともにお米のありがたさが染み渡る。
お汁を一口。
アツアツの白味噌が体の芯にじわっと入り込み、
この上なくやさしい甘さが
さらに食欲を掻き立てる。
ご飯と白味噌の間に顔をのぞかせている豆腐。
豆腐にご飯と白味噌を絡ませながら口に運ぶ。
豆腐がほろほろほぐれ、
白味噌をまとったご飯粒が、口の中のあちこちで主張する。
追いかけるようにして白味噌をまた一口。
あとから芥子がツンと鼻に抜ける。
いつの間にかズルズルとかき込むように食べ進み、
少しばかり興奮度が高まる。
鼻に汗をかきながらほっこりと一息。
うずみ豆腐は、夜ばなしの茶事でもよく登場する代表的なお料理。
白いご飯に、白い豆腐に、白い味噌。
普段から口にしている食材が、不思議とごちそうに早替わり。
柚子やふきのとうなどをあしらえば、
季節の移り変わりも楽しめます。
寒さをしのいで春を待つ、
日本の奥ゆかしさが込められた心温まるお椀、いかがでしょうか。
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿者 culin : 2007年01月17日 21:20