2007年01月17日

うずみ豆腐                           瓢亭 髙橋義弘

静かに期待を寄せながら、黒塗りのお椀の蓋を開ける。
ご飯と白味噌の香りが顔を覆うようにして広がる。
米粒がツヤツヤと光り、
表面には十分な粘りを持って寄り添っている。

まずご飯を一口
柔らかく口を湿らせ、
これまでに味わったことがないくらい
お米の風味が前面にあふれ、
安堵感とともにお米のありがたさが染み渡る。

お汁を一口
アツアツの白味噌が体の芯にじわっと入り込み、
この上なくやさしい甘さ
さらに食欲を掻き立てる。

ご飯と白味噌の間に顔をのぞかせている豆腐。
豆腐にご飯と白味噌を絡ませながら口に運ぶ。
豆腐がほろほろほぐれ、
白味噌をまとったご飯粒が、口の中のあちこちで主張する。

追いかけるようにして白味噌をまた一口。
あとから芥子がツンと鼻に抜ける。

いつの間にかズルズルとかき込むように食べ進み、
少しばかり興奮度が高まる
鼻に汗をかきながらほっこりと一息。

DSC00291%EF%BC%88%E3%81%86%E3%81%9A%E3%81%BF%E8%B1%86%E8%85%90%EF%BC%89.jpg


うずみ豆腐は、夜ばなしの茶事でもよく登場する代表的なお料理。
白いご飯に、白い豆腐に、白い味噌。
普段から口にしている食材が、不思議とごちそうに早替わり
柚子やふきのとうなどをあしらえば、
季節の移り変わりも楽しめます。
寒さをしのいで春を待つ、
日本の奥ゆかしさが込められた心温まるお椀、いかがでしょうか。

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 culin : 2007年01月17日 21:20