2006年11月11日

フランス人シェフ近又に宿泊           懐石・宿 近又 鵜飼治二

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来日2日目に私どもの近又に4人のシェフと奥様2人計6名が宿泊されました。

外人の宿泊は普段多いですが、現代の設備が充実している日本の宿の中で
近又の昔ながらの宿に外人が宿泊することは、自分勝手ながら
日本の庶民文化に接するには格好の場所ではないかと普段から考えております。

彼らも玄関に入ったところからわくわくしてくれまして、
廊下の音や、、坪庭の美しさ座敷の趣を肌で感じ取ってくれたと思います。

夕刻6時よりスポンサーのキッコーマン株式会社広報・IR部長中村隆晴氏、
理事長村田吉弘氏、常務理事高橋義弘氏とジャーナリスト、
通訳をまじえ夕食前に「日本旅館と料亭」と題して講演をさせていただきました。
その内容を少しご紹介させていただきます。


 「日本旅館と料亭」
 ●近又紹介
  創業1801年 薬商人の定宿からの始まり
  建物【典型的な明治の町家】 国の登録有形文化財
  現在七代目 料理旅館
 ●旅館業と社会の変化のかかわり
  日本の経済成長による国民の生活水準の向上
  旅行社の拡大と、脅威
  日本旅館の個性の破壊
  設備投資 消防法ゆえの廃業(マル適マーク)
  特徴のない統一された設備
  日本人の流されやすい新物好きの性格の暴露
  プライバシー、音、
  明治の建物維持のためには近又の旅館業の継続の困難
  料理屋への変更

 ●20世紀の食の変革
  流通のスピード化に伴い食品の鮮度や価格のみを追求するあまり、
  その素材の持つ本来の味を忘れさせてしまった。
  つまり食品の長期保存と価格破壊 
  これは今後もさらに研究されることと思われる。
  その他、海の汚染や大気の汚染。住宅事情などによる本来の生産農地の移動  

 ●21世紀
  個性の時代へ
  食品の素材本来の味を発見、知る、そして追求する。
  付加価値の魅力 

 ●日本人の食の変化 
  子供たちの食育に力を入れ、大人が子供たちに責任を持って
  日本人としての正しい食生活を教え、物を大切にする心、
  食材に感謝、作り手に感謝、おもてなしのこころなどを教育する
  必要性が出てきた。

  我々の料理店もお客様に満足していただけるよう
  間違いのないものを提供したいと考えております。
  もちろん調味料も伝統ある会社のものを使いたえず連絡を取り合うことが必要です。


フランスの事情も食材の違いは合ってもこのような社会の過去からの変化による
食の影響は大きく日本と変わらないのではないかと思われる。
また、彼らもそのように受け取ってくれたようです。
アカデミーの国内事業部の食育担当の私としてはこのことが非常に気になるところです。

この後夕食をともにし、懐石を食べていただいたのですが、
その中で夕食に子供連れの客が着たときはどのようなものを出すのかという質問があり、
日本の子供は海老の天麩羅や、茶碗蒸し、出し巻き玉子などが好きだと答えると、
出し巻きに興味を持ち、早速食べていただきました。
そして、その鍋を見せたところ、鍋が四角いことと巻き方に驚いていらっしゃった。

ちなみに、フランスの子供も玉子料理は好きだそうです。
夕食後、皆で散歩に出かけられ、翌日、京のおばんざい朝食を食べて、
機嫌よく次のスケジュールに向かわれました。

投稿者 culin : 2006年11月11日 11:52