2006年10月25日

桜島                             魚三楼 荒木稔雄

先日、何年かぶりに鹿児島に行ってきました。

さすがに、新幹線が発着する駅です。
前回訪れた時とはすっかり趣が変わって、
新しい都市開発の最中のように見えました。

どこの新幹線の駅を降りても似たり寄ったりの駅前で、
少し興ざめたように思えました。

しかし、少し車で駅から離れると桜島が、どんと座ってはります。
すごい存在感、さすが薩摩の風景、圧倒的な存在感
びっくりするやらうれしいやら、見とれてしまいました。

仕事を終え、宿に帰り温泉に浸かったわけですが、
温泉の露天風呂の正面に桜島が見えています。

なんとも雄大な、男らしい力強い姿をお風呂に
浸かりながら眺めておりました。

  本当に、至福の時間です。

日ごろ、京都で、人の作った繊細な風景の中で生活していますと、
自然の力強さをより感じるのでしょうか、
なんとも心地よく見とれていまいした。
そして、なにか力強さを分けて貰ったようです。

しかしながら、やはり料理人、食べることについ気持ちが移っております。
きびなご黒豚つけあげあじさば、まだまだおいしいものはたくさんあります。
いろいろ食べさせていただいたのですが、桜島のように、やはり力強い、
素材のうまさを前面に出している料理です

この風景の中、この土地じゃなければ
生きてこないだろうと思いながらいただいておりました。

私の料理は京都の繊細な感覚の料理です、
この土地で私の料理が通用するとは思えません。

料理がおいしく味わえるには、環境、というか風土が
すごく密接に関係していると感じます

私たちの目指している日本料理のあり方も、
やっぱり風土に対し、正直な料理であるべきだ
と思いました。

投稿者 culin : 2006年10月25日 22:26