2006年10月25日
桜島 ◆ 魚三楼 荒木稔雄 ◆
先日、何年かぶりに鹿児島に行ってきました。
さすがに、新幹線が発着する駅です。
前回訪れた時とはすっかり趣が変わって、
新しい都市開発の最中のように見えました。
どこの新幹線の駅を降りても似たり寄ったりの駅前で、
少し興ざめたように思えました。
しかし、少し車で駅から離れると桜島が、どんと座ってはります。
すごい存在感、さすが薩摩の風景、圧倒的な存在感に
びっくりするやらうれしいやら、見とれてしまいました。
仕事を終え、宿に帰り温泉に浸かったわけですが、
温泉の露天風呂の正面に桜島が見えています。
なんとも雄大な、男らしい力強い姿をお風呂に
浸かりながら眺めておりました。
本当に、至福の時間です。
日ごろ、京都で、人の作った繊細な風景の中で生活していますと、
自然の力強さをより感じるのでしょうか、
なんとも心地よく見とれていまいした。
そして、なにか力強さを分けて貰ったようです。
しかしながら、やはり料理人、食べることについ気持ちが移っております。
きびなご、黒豚、つけあげ、あじ、さば、まだまだおいしいものはたくさんあります。
いろいろ食べさせていただいたのですが、桜島のように、やはり力強い、
素材のうまさを前面に出している料理です。
この風景の中、この土地じゃなければ
生きてこないだろうと思いながらいただいておりました。
私の料理は京都の繊細な感覚の料理です、
この土地で私の料理が通用するとは思えません。
料理がおいしく味わえるには、環境、というか風土が
すごく密接に関係していると感じます。
私たちの目指している日本料理のあり方も、
やっぱり風土に対し、正直な料理であるべきだと思いました。
投稿者 culin : 2006年10月25日 22:26