2006年10月02日

こだわりの包丁を語る 第三弾             下鴨福助 安念尚志

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今回は包丁に関連して砥石の話をしようと思います。

包丁と砥石には相性があるのをご存知でしょうか?
といっても、人造砥石には基本的には相性なんて関係なく、
相性があるのは天然砥石のことです。

人造砥石はもともと包丁に合うように作った石ですからオールマイティです。
でも天然砥石は自然にできた地層から切り出したものですから、
採掘場によって硬さも粒度もまちまちです。
まあ魚でいうと天然ものと養殖ものの違いといったところでしょうか。

誰でもどんな包丁でも受け入れられる人造砥石と違い、
天然砥石には人造砥石では研ぎきれない領域にまで入り込める
そんな難しさ、でもこれが醍醐味なんですよね。

包丁と砥石といっても、刃を石にあてたらなんだか
油と水くらい相性の悪いものもあるんですよ。
砥石が硬すぎると刃がカサカサすべっていくし、
柔らかすぎると石ばかり減っていって全然研げない。

ちょっとここで専門的な話。
よく仕上げ用砥石とか中砥とか荒砥とかいいますが
この言い方はかなりアバウトです。
砥石は粒度で分けられ粒度を番手で表します。
人造砥石は8番~8000番まであります。
番手が大きいほど砥粒が細かいということになります。

一方、天然砥石は自然のものなので番手の上限も下限も決められません。
ただ天然砥石には一万数千番にもなるような微細な砥石があります。
だから仕上げは天然砥石がいいと言われるのかもしれません。

その仕上げに適した砥石が採掘されていたのが京都の丹波地方です。
天然砥石は年々取れる量が減っていて値段が上がっています。

ところで、そんな相性のいろいろある天然砥石ですが、
相性の悪さを解消できる方法があります。
(絶対に解消できるわけではありませんが。)

名倉」というものを使います。
砥石が硬いときには名倉を擦り付けて研ぎ汁をだして
それで研ぐというもの。まぁ潤滑油のようなものですね。

以前、とある砥石屋さんで、自分の持っている包丁をあてたら
ぴったり合う砥石に出会いました。
なかなか相性の合う砥石に出会うことがないだけに
「これは!!」と思ったのですが、
確かその当時20万円くらいしていて、結局諦めました。

その後もう一度その砥石を見せてもらいに行ったらもうなくなっていました。
それ以来そんな砥石には出会っていません。
一点物ですから同じものには二度と会うことはない。
あ~、買っておけばよかった・・・。逃がした魚は大きかった・・・・。

※ 写真の石はこま名倉です。

投稿者 culin : 2006年10月02日 16:13