2006年09月25日

新入社員                           魚三楼 荒木稔雄

明日、新入社員が一人、入社します。
中途採用で、また、中途半端な時期の新入社員です。

しかしながら、彼は先日、一本の電話より採用にいたりました。
いまのところ、私どもでは料理人の採用は控えております。
電話の内容では取り合えず面接してくださいとのこと、
まあ、会ってみるだけにと思い面接にいたりました。

面接の中で彼は「今うどん屋で働いている」しかしながら、
このままでは将来何にも見えてこない。
又、自分の将来を考えるとしっかり、
修行して手に技術をつけたいとしっかりアピールして帰りました。

そのようなことで中途採用にいたったのですが、
私自身、丁稚奉公(下積み時代)のころを思い出しておりました。

約20年以上前です、当時の職人さんはすごく堅物で怖いイメージがあり、
特に京料理の料理人は本当の意味で仕事にはすごく厳しい時代でした。
上下関係も厳しく、1日でも早くこの世界に入ったら先輩です。
敬語でしゃべらなければいけないような世界でした。
そう言う世界に学校を出てすぐ、よそ様の店へ入り
よく持ったものだと今になれば思い起こしております。

最初、厨房に入った当初はほとんど洗い物ばかり、
いつの間にか私の後ろには山のようにバットや鍋があったことを覚えております。
先輩から、「いつまで洗い物してんねん、こっちの仕事も山ほどあるぞ、
早く終わらせろ。
」とよく怒鳴られたものです。

そんななか、朝から深夜まで一日中、
料理のことばかりの中ですごしているうちにいつの間にかセンスが、
そして本当の意味での技術が生まれてきたように思われます。

料理のプロとして、皆様に美味しい料理を提供できるためにはやはり
料理漬けのなかで本当のセンスと技術を磨き続けることだと言う事を
再認識させてくれたように思えます。

彼は明日より、料理人として出発するわけですが、
いつまでも修行の終わらない、すばらしい職人さんになってくれればいいなあと思います

また、若い世代の人たちが料理人になって
日本の食文化を将来も伝え続けていただきたいと思っています。

投稿者 culin : 2006年09月25日 16:46