2006年09月02日

こだわりの包丁を語る 第二弾             下鴨福助 安念尚志

toisi.gif

本焼きといわれる包丁に2種類あるのをご存知でしょうか。
水焼き本焼き」と「油焼き本焼き」です。

まず先に「本焼き」とは・・・説明しておきましょう。
包丁に詳しい方はここは読み飛ばしてくださいね。
和包丁は構造上2種類に分けられます。「本焼き」と「」です。
「本焼き」とは包丁全体が単一の鋼でできている包丁のことを言います。
決して本物の焼きが入っているわけではありません。
一方「霞」とは鋼と軟鉄をはり合わせたもので「あわせ包丁」とも言います。

次に「水焼き」と「油焼き」の違いも説明しておきましょう。
焼入れの時に水で冷やすのが「水焼き」、油で冷やすのが「油焼き」です。
「本焼き」は、水で冷やした場合、温度変化が急激なので硬い包丁になりますが、
パキンと割れ易く、製品になる率は低いので高度な技術が要されます。

一方油で冷やした場合は水に比べると冷却速度が遅いので
粘りのある包丁になり製品になる率は高く、
そのため「本焼き」というとほとんどが「油焼き」になっています。

一般に「本焼き」というとほとんどが「油焼き」です。
実際に包丁を買うのに有名な包丁店に行っても
「水焼き本焼き」の包丁を買うのはむずかしいかもしれません。
なぜなら「油焼き」の包丁しか作っていないところが多いからです。

では「油焼き」のほうが「水焼き」より優れているのかと聞かれたら
残念ながらそうとはいえません。
「油焼き」の包丁は「水焼き」の包丁よりやわらかいです。
包丁を研ぐと実感できます。

やわらかいといっても曲がったり反ったりするということではありません。
砥石で研ぐと「水焼き」の包丁より早く刃がおりるという意味です。
どちらがいいのかと聞かれたらなかなか答えられません。
それぞれ長所と短所があるからです。僕は「水焼き」の方が好きですけどね。

「包丁」も「料理」も最高の素材を捜し求めてそれを使えば
最高のものにできあがるかといえばそうはいかない、
それを生かすか殺すかは職人次第なんですね。
そして最高の包丁があったとしてもそれを使いこなせるかは
料理人次第
なんですね。ふうっ、ますます努力あるのみです。

写真の砥石はtoisi.gif
(マルカ)正本山という合砥です。砥石も凝り出したらきりがないですね。

投稿者 culin : 2006年09月02日 10:59