2006年09月01日

ロシア・北欧を訪ねて                         田中誠二

7月の初旬にヘルシンキ、サンクトペテルブルク、コペンハーゲン、
ベルゲン、ストックホルムの5つの都市を出張し、
フィンランド、ロシア、デンマーク、ノルウェー、
そしてスウェーデンの5カ国を巡る機会をえました。

周知のとおり北欧諸国は日本のバブル崩壊とほぼ同時期に、
金融危機による景気低迷に陥りながらも産業構造の転換を
短期間で成し遂げ、経済を復興させた実績が高く評価されており

国際競争力においてもフィンランドは世界第1位で、
続いてスウェーデンが第3位、デンマークが第4位と
北欧諸国の国力の充実振りが注目されています

また、北欧諸国の共通した特徴をあげると
人口が比較的少ないことから国内の市場規模は限られ、
輸出のGDP比が40%と輸出依存度が高く
従って各国ともに高齢化社会、高度福祉社会や循環型社会を反映して、
福祉や介護サービス機器、風力発電など新エネルギーから
木材・海洋石油といった天然資源、
そしてデザインやインテリアの領域に至るまで
幅広く特徴的でオリジナリティ溢れた特色ある輸出品を創出しています。

とりわけ注目したいのは今回訪問したデンマークと
スウェーデンの国際連携で築かれた広域経済圏「オアスン地区」の開発です。
特に「ひとづくり」の分野で、創造性を重視した教育を基軸に生涯学習環境教育
そしてアントレプレナーシップ(起業家精神)育成など先進的な人材育成を積極的に展開し、
経済と福祉をバランスよく充実させるために教育が国の発展の基盤と
位置付けられている
ことがたいへん印象的でした。

さらには、豊富な生産量を誇る原油や天然ガスなどのエネルギー資源と
旧ソ連時代の遺産とも言える高度な科学技術を背景に、
著しい経済成長を成し遂げているロシアのかつての首都であった
サンクトペテルブルクを初めて訪問し、
「世界遺産」登録された「サンクトペテルブルク歴史地区と関連する建造物群」や
世界3大美術館のひとつである「エルミタージュ国立美術館」をはじめ
ペトロパブロスカヤ要塞」などの多くの建築記念物や学術文化施設を見聞することができ、
閉ざされた怖い国「旧ソビエト連邦」というイメージしか持っていなかった私には、
ロシアの歴史と文化的蓄積の豊富さにたいへん感心させられました。

今回の訪問でこれら北欧諸国の手厚い福祉や
教育分野の振興策が成功している様子を身近に感じることができ、
持続可能な環境循環型の福祉を重視したまちづくりや
国づくりの実態を肌で感じる機会を得て、
公益に資する経営政策について大いに勉強させていただきました。

街の品格、優れた文化や歴史、そして美しい環境において、
共通点が多く見られる京都とベルゲンやサンクトベテルブルク、
そしてストックホルムなどロシア・北欧諸国の各都市を比較する中で、
文化であれ、商業であれ、守るべき伝統を守りつつ、
大胆に時代の要請に呼応する前衛を打ち出しながら、
新たな伝統を作り上げ、伝統と革新のサイクルを循環させる
姿勢が大切であることを感じた次第です。

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投稿者 culin : 2006年09月01日 13:05